通販記事

2009年11月 9日 (月)

公取委の「審判制度」廃止し裁判所へ移管

政府は11月5日、かねてから議論されていた公正取引委員会の「審判制度」について廃止の検討に入った。景品表示法や独占禁止法で公取委から行政処分を受けた企業が「異議」を申し立てる制度だが、処分した側の公取委が自ら是非の審判を下すことは公平性を欠くとの批判に対応。審判機能は裁判所に移管するとし、早ければ来年の通常国会にも独占禁止法の改正案を提出する方針でいる。

「審判制度」に関しては、実質的に公取委の職員が検事と裁判官を兼ねることになるため、経済界からの批判が強かった。排除命令や課徴金納付といった処分に対し多くの企業が不服を唱え制度利用に踏み切ったが、この10年間で処分結果が見直されたのはわずか1件にすぎず公平性が問われていた。日本経団連も以前より廃止を求めており、10月20日に「審判手続きの廃止及び審査手続きの適正化に向けて」との意見書を発表。「公平・公正な解決のためには全面的に見直し、直接裁判所で争える仕組みが必要」とし、2010年度中に措置を講じるべきとしていた。また、見直しの必要性に関し、「公取委は漠然とした疑いのみで企業のあらゆる場所に立ち入り検査に入り、半強制的にあらゆる資料を提出させ、1日に10時間超の取り調べも行う」と批判。政権を取った民主党が「審判廃止」を政策に掲げていたこともあり、ようやく実現の方向となった。

独占禁止法の下部法といえる景品表示法においては、広告の不当表示で通販企業への排除命令が相次いでいる。特に最近では厳しすぎたり不当と思われるようなケースが目立つが、公平性を欠く「審判制度」では勝ち目にないことが分かっているだけに、日本通信販売協会に入っているような大手通販企業は手続きに踏み切ることはない。しかし、裁判所で公平な審判が行われるようになれば、不当な処分に異議を唱える大手通販企業が出てくる可能性もある。

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2009年11月 1日 (日)

千趣会、ニッセンの第3四半期は赤字計上

千趣会とニッセンホールディングスがこのほど相次いで発表した2009年12月期第3四半期連結業績では、両社とも売上高が前年同期を割り込み、利益面でも赤字に陥った。長引く不況による消費者の買い控えや、専門店・スーパーなどの低価格競争激化が影響。利益確保に向けたカタログ発行部数の絞り込みも、減収要因になったとみられる。

千趣会は売上高が前年同期比5.9%減の1,066億7,100万円となった。売上高の減少および卸資産の評価方法変更等に伴う評価損増によって売上原価率が上昇。営業損失は17億1,600万円(前年同期は11億9,500万円の利益)と赤字で、11億4,700万円の経常損失、15億3,800万円の純損失を計上した。

通販部門ではカタログ事業の売上高が同8.8%減と不調で、同11.9%減と落ち込みが大きい頒布会をカバーしきれなかった。両事業を合わせた通販部門は14億2,000万円の営業損失(前年同期は18億5,000万円の利益)となった。

ニッセンホールディングスの売上高は前年同期比8.4%減の1,037億9,400万円で、1億7,000万円の営業損失(前年同期は10億9,400万円の利益)だった。経常利益は8,000万円を確保したものの、9億900万円の純損失となった。

春号から秋号にかけてカタログ部数の大幅な絞込みを実施したことや、顧客単価の下落が事業全体のマイナス要因。セール販売拡大による原価率の悪化なども、利益を押し下げた。

ただ、通販部門の売上高は同2.3%減と微減にとどまり、大幅減益ながら4億4,600万円の営業利益を確保している。

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2009年10月20日 (火)

経済産業省が「個人情報保護法ガイドライン」を改正

経済産業省は10月9日、「経済産業分野における個人情報保護法ガイドライン」の改正を行った。この改正を踏まえ、10月26日から来年の1月15日まで全国7会場で無料説明会を実施する。初回の東京会場は500人の定員をすでに上回り、応募締め切りとなった。 
(説明会詳細:http://www.guideline-setsumeikai.jp/

昨今は個人のニーズや多様性に応じたパーソナライゼーションサービスが進み、有効な個人情報の活用を手がけるうえで法律の解釈をより明確化する声が高まりつつある。経済産業省は2007年12月に「パーソナル情報研究会」を設置し、個人情報の安全・安心を確保しつつ企業の多様なサービス提供を可能にするための課題を検討してきた。今回のガイドラインには、同研究会で論議した各課題への対応策を盛り込んでいる。

研究会での検討課題を反映した改正点としては、まず「性質に応じた個人情報の取り扱い」を重視。情報漏洩した場合の主務大臣への報告について、FAXやメールの誤送信の場合は月に一回ごとにまとめて行えるようにした。また、「事業継承にかかわるルールの明確化」では、両社が事前に必要な契約を締結することで、本人同意がなくても個人データの提供ができるように変更。さらに「共同利用制度の利用普及にかかわる具体策」として、企業ポイントなどを通じた連携サービスを手がける提携企業間では、取得時の利用目的の範囲で個人データを共同利用できることを追加するなどの措置を講じた。

研究会の課題以外では、個人情報を提供する側の第三者提供制限違反や不正取得を知っていたり、または容易に知ることができたにも関わらず、当該個人情報を取得するケースを新たに「不正手段」として追加した。

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2009年9月27日 (日)

「暮らす服」の実店舗が関東に進出

千趣会の基幹ファッションカタログ「私たちの暮らす服」の実店舗が、ついに関東への進出を果たした。9月17日に埼玉県で開業した三井ショッピングパーク「ららぽーと新三郷」内に、約84坪の店舗をオープン。関西地区ではすでに9店舗を展開し売り上げも好調だが、念願だった関東初出店で弾みを付け今後は首都圏での店舗事業拡大の可能性もある。新店舗では顧客からの要望が多かったメンズウェアの品ぞろえを充実するなど、ファミリーでのショッピングに重点を置いた店づくりを目指した。

年間で250億円以上を売り上げる「私たちの暮らす服」カタログが初めて実店舗を設けたのは2006年8月。それまで雑貨や家電などを扱っていた愛知県扶桑町の自社店舗「ベルメゾンマーケット」を、衣料品専門の「私たちの暮らす服」店舗へとリニューアルオープンさせたのが始まりだった。それまでは必ずしも店舗事業が好調とはいえなかった同社だが、このリニューアル店舗で手ごたえをつかみ、翌年7月には「暮らす服」第1号店を兵庫県川西市にオープン。その後わずか2年間で10店舗へと、波に乗って拡大路線を進んだ。

今年1月には、中国の上海にも「私たちの暮らす服」店舗をオープン。現地ですでに手がけている同ブランドのカタログやネット通販との相乗効果を発揮する旗艦店舗として、大きな期待をかけている。

大手専業通販は各社ともカタログ売り上げが苦戦しているが、今後は紙媒体やネットの通販に実店舗を絡ませるこういったクロスメディア手法も重要な選択肢のひとつといえよう。出店には企業としての体力が必要ではあるが、ファーストリテイリングや良品計画のように店舗とネットを上手にクロスさせた企業が伸びているのは事実。これまで通販のファッション分野ではカタログと店舗との相乗効果による成功事例が少なかっただけに、「私たちの暮らす服」がどこまで効果を発揮できるかは業界の試金石にもなりそうだ。

【千趣会】
http://www.senshukai.co.jp/main/top/index.htm

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2009年9月21日 (月)

「低料第3種郵便物」で会員社を処分

マスコミでも騒がれた「低料第3種郵便物」の不正利用に関し、日本通信販売協会(JADMA)は9月17日に理事会の申し合わせ事項を公表した。不正を行った当該会員社に対し改善勧告処分を行うとともに、倫理綱領や各種ガイドラインの順守を求める申し合わせ事項を改めて定義。通信販売業界への信頼回復および企業倫理の確立を目指し、これら事項を守るように会員に呼びかけた。

「低料第3種郵便物」を不正利用していた会員は6社(2社は退会)で、2005年から2008年にかけそれぞれ35万通から1629万通の郵便物を不正利用。中でも退会した2社に関しては主体的に他の通販企業に不正利用を働きかけ、トップが逮捕起訴される事態へと発展していた。不正利用を行ったその他会員社は「経費削減になり違法性はない」という取引先からの説明を信じていたと弁明。ただ、結果的には違法であり、業界の信頼を著しく損なったとの判断から理事会は当該社への改善勧告処分を決めた。

昨今は会員社が景品表示法や薬事法などの関連法違反により行政から繰り返し処分を受けるなど、従来にも増して法令順守の必要性が高まっている。いったんJADMAへの入会を認定されればその後は更新制度もないことから、今後は既存会員社に対し何らかのチェック機能が求められることになりそうだ。

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JADMAが「返品特約表示ガイドライン」を策定

日本通信販売協会(JADMA)は9月11日、かねてよりプロジェクトチームを設けて策定を進めていた「返品特約表示ガイドライン」を公表した。経済産業省が今年12月1日に試行する「改正特定商取引法」を踏まえたもので、すでに公表されている経済産業省の「返品特約表示ガイドライン」にさらに具体的な内容を加筆。カタログ、インターネット、テレビ、ラジオといった媒体別に、より分かりやすい表示方法を盛り込んだ。

経済産業省のガイドラインは顧客が「容易に認識できる表示」と「容易に認識できない表示」の事例を紹介しているが、JADMAガイドラインは容易に認識できるベストプラクティスの表示に特化。中でもインターネットを通じた広告については詳細な具体例を規定し、商品をショッピングカートに入れた後の画面において返品表示にアクセスできる例などを示した。

テレビに関しては、独自規定として「注文時・商品配送時における説明の補足」を規定。商品によっては電話で注文を受け付ける際に返品条件について口頭で説明するほか、返品条件を記載したパンフレット等を商品に同梱することを奨励している。

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2009年8月29日 (土)

通販の市場規模、初めて4兆円を突破

2008年度の通販市場売上高は、前年度比6.7%増の4兆1,400億円とついに4兆円の大台を突破した。日本通信販売協会(JADMA)が8月20日に発表したもので、2007年度に比べ2,600億円を上積みした。

要因としては売上高トップレベルに位置するアマゾンをはじめ、ネット専業企業の伸びが大きく貢献。家電やパソコン、ファッションなど実店舗を持つ企業のネット事業も好調で、市場全体を押し上げたとみられる。市場のけん引役だった大手カタログ通販でも、紙媒体の不振をネット通販がカバー。千趣会やニッセンなどは全売上高の半分を占めるまでに伸張している。

JADMA会員の売上高は2兆9,000億円で、市場規模と同様に前年度比5.1%増と増加。そのうち上位10社の売上高は約1兆2,600億円となり、会員社売上高の43.4%を占めた。さらに、売上高規模別の階層で前年度と比較した場合、全ての階層で増加傾向となった。

20090829

(出典:JADMA(日本通信販売協会))

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2009年8月 2日 (日)

危惧されるネット通販へのアリコの影響

保険通販を手がけるアリコジャパンの顧客情報流出による被害は、公表から1週間経っても収束する気配がない。7月30日時点で不正使用件数は2,700件、情報流出件数は13万件と日を追うにつれ拡大している。被害の大きさもさることながら、世間の非難を集めているのはその対応の遅さで、契約者は不信感を募らせている。ただでさえ親会社であるAIGの経営再建の影響により解約が増えている中、今回の不祥事は経営の根幹を直撃する可能性が極めて高い。原因究明は依然として進んでいないが、仮に内部からの情報持ち出しだった場合は、同社の受ける打撃はさらに大きくなる。

同社は自動車保険を展開するグループのアメリカンホーム保険などと共に、保険通販の先駆者として国内の業界に参入。膨大なコストをかけ、派手なテレビCMや新聞広告を通じ契約者を増やしてきたが、(社)日本広告審査機構などには消費者から「実際に契約を結ぼうとするとCMでは触れていないさまざまな制約ある」といった苦情が際立って多く寄せられていた。また、一昨年には公正取引委員会が保険商品広告の不当表示で排除命令を発令するなど、CSR(企業の社会的責任)面で問題がないとはいえなかった。

危惧されるのは、クレジットカードが不正使用された被害者は保険通販商品をインターネット上でカード決済した契約者だという点。「通販」「カード決済」「インターネット」といったキーワードは、カード決済やネット販売がごく当たり前になっている通販業界全体にも影響を与え兼ねない。アリコジャパンは徹底的に流出原因を究明したうえで防衛策を講じるとともに、各カード会社が自社会員に無償で再発行したカードの費用を負担するなど、全力で消費者の不安解消に努めるべきだ。アパレルや化粧品、雑貨、食品など商材を問わず通販各社がネット販売拡大に向けて経営資源を集中投下している中、「ネット通販」に対する風評被害を招かないように責任を果たす義務がある。

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2009年7月26日 (日)

ベネッセの「在宅勤務制度」、3ヶ月で109人が利用

ベネッセコーポレーションが新年度の4月から導入した「在宅勤務制度」の利用者が、7月3日現在で109人に達した。同制度は社員のワークライフマネジメント実現に向けた施策として始めたもので、一定の職級以上の正社員(全社員の70.2%)が対象。上限は月4回で育児や介護などに目的を限定しておらず、企画立案や編集といった在宅に適した業務に携わっていれば利用が可能となる。

また、従来のリフレッシュ休暇制度の対象を拡大し、「ベネッセ休暇」としてスタート。正社員に対し、勤務時間に応じて休暇と支援金を支給する。メリハリのついた働き方を実践することにより、家庭生活や地域社会に参画する機会を増やし視野の拡大につなげることを期待しているという。

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総合オンラインストアへとまい進するアマゾンジャパン

アマゾンジャパンがオンラインストアのカテゴリー拡充を強化している。7月21日には、何足でも翌日配送するうえ送料・返品が無料で話題の靴とバッグの専門サイト「ジャバリ」内に、新たにキッズ・ベビーカテゴリーを投入。まずは「アディダス」や「コンバース」、「ミキハウス」など50ブランド・400スタイルをラインナップした。ブランド別、サイズ別、カラー別などに検索できる機能を搭載し、簡単に希望の商品を探せるようになっている。

「ジャバリ」は「アマゾン・ドットコム」の姉妹サイトとして、昨年11月にオープン。サイズや履き心地という課題から通販では難しい商材とされている靴の専門サイトとして、送料・返品無料という消費者ニーズを組み込んだ販売手法が注目を集めた。

また5月27日からは「アマゾン・ドットコム」に「文房具・オフィス用品」のストアを新設。文房具やプリンタ用紙、封筒・レター用品などの消耗品から、デスクや収納キャビネットといったオフィス家具まで7万8,000点超の幅広いアイテムをそろえた。

他のストアと同様に「お急ぎ便」も投入。関東は当日、その他地域でも最短で翌日配送が可能となる。一般ユーザーだけでなく事業者が対象のBtoB需要も見込んでおり、オフィス用品通販を手がける既存大手に挑んだ格好だ。創業当初の書籍や音源商品カテゴリーから完全に脱皮し、今後は総合オンラインストアとして事業拡大を進めていくとみられる。

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2009年7月13日 (月)

「メディアの変革」掲げJASDMが全国研究発表大会

20090713

日本ダイレクトマーケティング学会(JASDM)の「第8回全国研究発表大会」が7月4日、都内の青山学院大学で開かれた。「メディアの変革とダイレクトマーケティング」を大会テーマに、約180人が参加。研究発表や基調講演、パネルディスカッション(写真)が行われた後、総会も開催した。総会では2期4年にわたって会長を務めた田中利見上智大学名誉教授に代わり、亀井昭宏早稲田大学教授を新会長に選任。亀井会長は「自分の専門はマーケティングコミュニケーションのため固辞したが、ダイレクトマーケティングは大変興味深い分野であるうえ、実務型の学会としてその研究成果が産業界に大きな役割を果たすと考えお引き受けすることにした」とあいさつした。

副会長だった亀井会長の昇任に伴い、新副会長としてルディー和子早稲田大学客員教授が就任。田中前会長も理事として残り、部会長として新たに宮島和美ファンケル会長を迎えた消費者行動研究部会をサポートする。

既存の6研究部会に加え、今期から新たに九州研究部会が発足。西南学院大学の小森俊介教授を部会長に、単品通販事業者やJASDM会員が多い九州での研究活動を進めていく。

新年度の活動計画としては、金融マーケティング研究部会が引き続きポイントシステムを研究。関西部会は秋にネット通販セミナーを企画する。法務研究部会は、前期から手がけている法律関係ハンドブックの研究プロジェクトに本格着手する。

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2009年7月 5日 (日)

法改正に向け「返品特約」で説明会

新たに盛り込まれた「返品ルール」や指定商品・役務の廃止など12月1日に施行される「特定商取引法」について、経済産業省は事業者や消費生活センターといった関係者を対象に説明会を開始した。6月30日の東京を皮切りに、全国23カ所で開催される。通販関連では契約申し込みの解除を規定した「返品特約」に関しガイドラインが作成されたことから、改正ポイントとしてガイドラインの内容説明にも踏み込むことになる。

一般社団法人ECネットワークも経済産業省の担当官を講師に招き、会員などに向けて6月29日にミニセミナーを実施。「返品ルール」に特化した説明の後に行われた質疑応答では、参加者からかなり具体的な質問が投げかけられた。

たとえばインターネット通販の場合、ガイドラインでは「商品画面」だけでなく「最終申込画面」においても返品特約を表示しなくてはならない。この点について「最終画面において商品説明ページにリンクを張っているだけではダメか」との質問があったが、「ガイドラインをクリアすべき」との回答がなされた。事業者の立場から見れば、せっかく申込画面まで誘導したユーザーに再び「返品ルール」を提示することは販売のチャンスロスにつながるため、できれば避けたいという思いがある。さらに、「ガイドライン通りに画面を構築するのは事業者にとってシステムコストの負担が重い」との声も挙がった。

ガイドラインではインターネットだけでなくカタログやテレビ、ラジオなど各媒体別に「返品特約」表示が定められている。対応策として(社)日本通信販売協会(JADMA)は5月末に、各媒体を手がける十数社を集め「返品」のプロジェクトチームを発足。経済産業省のガイドラインに沿い、媒体ごとに適正な返品表示ガイドラインの策定を目指す。ミニセミナーの質問にあった「システムコスト負担増」に関し、担当官は「JADMAのガイドラインも参考にしたうえで、過度な負担をクリアできるように考えて欲しい」と付け加えた。

【(社)日本通信販売協会(JADMA)】
http://www.jadma.org/

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2009年6月 8日 (月)

カタログとネットの連動進める千趣会

千趣会が、カタログとインターネットの連動に本腰を入れている。2009年度の事業計画に“ネットへの更なるシフトとカタログ配布効率化による媒体費用削減”を掲げているが、クロスメディアの推進によりカタログ部数を圧縮。2008年度に比べて750万部を減らし、約8億5000万円のコスト削減を見込む。

カタログからネットへの誘導策として、昨年8月にサイトを大幅刷新。トップページ「ベルメゾンネット」からファッションや家具・インテリアなどジャンル別サイトへ呼び込み、さらにそこから「ファッションプラス」「暮らす服」など各カタログ別サイトへ誘う手法でネット売り上げを伸ばしてきた。今年2月には「ベルメゾンネット」のシステム面を強化し、検索機能およびレコメンド機能をバージョンアップ。カタログとの連動でも、誌面の商品番号をサイトで入力するとその商品の詳細情報を紹介しているページにジャンプするなど、新たな機能を導入した。

中でも20代の若年層をターゲットに据えたアパレルカタログ「ファッションプラス(fp)」を、ネットとの相乗効果を追求する戦略カタログとして展開。今年春夏号では、自社のウェブ専用ファッションサイト「エディテ」と「ベリッシ」から選んだ14ブランドを誌面に掲載した。両サイトの紹介をはじめ、“毎週更新の新着アイテム”といったキラーコンテンツを軸に「ファッションプラス」のサイトである「fp web」への誘導も積極的に行っている。これらの施策が奏功し、昨年スタートした「ベリッシ」の売上高は前年比400%と驚異的な伸びとなった。

また、「ファッションプラス」のカタログ自体も増強。年間3回だった発行回数を今年から4回に増やし、部数も1号平均で190万部と拡充している。

講談社とのコラボ企画でこの2年半に5号発行したカタログ情報誌「お買い物with」も、今年9月発行の11月号から従来の形式をリニューアル。これまで誌面を使い通販展開してきた企画を見直し、通販冊子をブックインブックで挟み込む。これについても、ウェブサイトの連動を強化していく考えだ。

4月には「ベルメゾンネット」内に、表現技術や検索機能を盛り込んだ次世代ネットの研究サイト「ベルメゾン・ラボ」をオープン。“気づき”や“楽しさ”を提供する「動くカタログ」などさまざまなコンテンツを展開し始めたが、中でも部屋の空きスペースにぴったりフィットする家具やインテリアをウェブ上で探せる“すぺーすサーチ”の人気が高いという。

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2009年5月31日 (日)

「消費者庁」の実現で通販企業は“苦難の時代”に突入

日本ダイレクトマーケティング学会(JASDM)の法務研究部会は5月21日に2009年度の第1回部会を開き、「消費者庁」を軸に「今後の消費者行政と通販企業の対応の問題点」を議論した。部会員でもある高橋善樹弁護士(川越法律事務所)が、通販の関連法律が「消費者庁」に移管された場合の改正ポイントを説明。通販企業にとっての問題点について指摘や解説を行った。

通販企業への取り締まりが目立つ景品表示法の場合、改正点を見ると従来の目的だった“競争法”の性格が薄れ、“消費者保護法”寄りになる可能性が高いと指摘。これまでの「排除命令」は独占禁止法の「排除命」と区別されて「措置命令」となるが、これに伴い従来可能だった「不服申立て」の定め方が変化するなど、企業にとって不利な状況が生ずるとした。

罰則に関してもこれまでは「虚偽の報告・答弁」や「検査拒否」、「妨害」、「忌避」などが対象だったが、改正後は「措置命令違反行為」に対する罰則規定を新設。措置命令違反者には「2年以下の懲役または300万円以下の罰金」が科されるようになる。

さらに、消費者庁の対応について独立した消費者委員会の監視が行われることによって、より消費者視点からの運用に傾く恐れも想定。1つの案件に関して横断的処理も可能となりそうで、「景品表示法」「特定商取引法」「JAS法」など複数の行政処分を一度に行いやすい状況が生まれるという。

通販企業は表示規制や取り締まり強化に対し常に見直しをする必要があるとともに、今まで以上に顧客対応の整備が求められそうだ。

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2009年5月18日 (月)

メリット見えないディノスとセシールの合併

フジテレビグループのフジ・メディア・サービスは5月14日、子会社のディノスとの合併を目的にTOB(公開買付け)を通じセシールを買収すると発表した。合併時期は来年4月以降だが、成立後両社の株式交換を行うようになった場合、セシールは上場廃止となる。

フジ・メディア・サービスは今回のTOBについて、「ディノスとセシールの統合シナジーを最大限引き出す」ことを掲げる。通販の基幹媒体であるカタログ事業が頭打ちになりつつある現状下で、顧客リストの相互活用や商品力・メディア力の強化、さらにバックヤードの有効活用および販促経費の低減を目指すという。

ただ、なぜこの時期にディノスがセシールと合併する必要があるのか、その狙いは見えにくい。セシールの筆頭株主であるライブドアホールディングス(LDH)からの合意を取り付けたとしているが、LDHがセシール株の売却を検討しているということはこれまでも通販業界のあちこちで囁かれていた。しかし、ライブドアから迎えた人材力が奏功しEC面は力を付けてきたものの、カタログを軸とした通販事業全体は好調とはいい難い状態で、2008年12月期には4億9000万円の経常赤字を計上。先週には障害者用低料第3種郵便物の不正DM差し出しも発覚するなど、コンプライアンス面でも問題が浮上していた。

一方でディノスは2009年3月期で売上高は前期比3.6%の減収になったものの、販管費の削減などにより、前期は24億2300万円だった営業損失を6億6200万円の利益確保へと黒字転換させた。自力でようやく復調を果たしたディノスが、さらにカタログ事業の不調で厳しい状況のセシールと一緒になっても、プラスの効果が現れるとは考えにくい。

掲げられた合併のメリットについても、かなり疑問がある。顧客リストの相互活用については、ディノスの方が幅広く可処分所得的にも優良な顧客を有しているうえ、セシール以上に多種カテゴリーのカタログを発行。通販という業態上全国の顧客を網羅しており、セシールのバックグラウンドである高松の顧客を特別必要とする理由もない。チャネルについても年間約120億円を売り上げるテレビをはじめ、定期的に催事も手がけるなどクロスメディアでの優位性も高い。バックヤードも自前で大型のコールセンターと物流センターを保有し、現状ではこれ以上のインフラは不要と思われる。つまり、顧客層や媒体、インフラのいずれを取っても、セシールの持つ資産でカバーする必要はないといわざるを得ない。

中でも、最も違和感を覚えるのは、両社の企業体質や企業風土の違いだ。個人が一代で四国という地方に築きあげたセシールと、テレビ局の子会社として首都圏でおおらかに事業展開してきたディノスとの間には、物理的な面だけではなく体質・風土の面でいかにも距離がありすぎる。強いてそれらを乗り越えてまで合併するメリットとは果たして何なのか、現状では見えてこない。

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2009年5月 9日 (土)

ベネッセの3月期、6期連続の増収増益で最高値

ベネッセコーポレーションの2009年3月期連結業績は、売上高が前期比7.3%増の4127億1100万円、営業利益が同12.2%増の391億2500万円、経常利益が同9.3%増の392億7600万円と、6期連続の増収増益で過去最高値を更新した。「進研ゼミ」の会員が増加するなど教育事業が好調だったのをはじめ、出版や通販事業も増収となった。当期純利益については、同30.9%減の106億7800万円とマイナスだった。グループの東京個別指導学院の株価下落に伴う減損処理などが影響したという。

出版や通販を手がける「Women&Family」カンパニーの売上高は、前期比3.0%増の264億1200万円と増加。「たまひよSHOP」「ピースマイル」「たまひよ内祝」などの通販の受注件数が伸びたことが寄与した。一方で、妊娠5・6か月から生後5か月までの母親と家族に向けた通信講座「befa!」と、社会人女性が対象の自宅レッスンプログラム「ハピコレ」の立ち上げコストなどが影響。7億7800万円の営業損失(前期は11億7500万円の利益)を計上した。

同カンパニーは今後の事業コンセプトを“女性の意欲向上や充実した家族生活の支援”に置き、昨年9月に「ライフタイムバリュー」カンパニーから現在の名称へと変更。今後はさまざまな場面で通販を絡めながら、女性の生活事業領域を強化していく。「ハピコレ」で初年度10万人の会員獲得を目指し、これら若年層女性顧客を「ピースマイル」や「たまひよ」など他媒体の通販や「進研ゼミ」顧客へと誘導。また、月刊生活情報誌「サンキュ!」4月号では口コミ通販ブック「オトドケ」を別冊式で挟み込みテスト展開を行うなど、通販に本腰を入れ始めている。

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2009年4月30日 (木)

特定商取引法の「返品特約」、ガイドラインで媒体別モデルを公表

経済産業省は4月14日に開いた「第4回特定商取引部会」で、通信販売の「返品特約」(法第15条の2を新設)に関するガイドラインを公表した。まず、「購入者が容易に認識することができる方法で表示させる」ことを省令に規定したうえで、詳細については広告媒体ごとの差異を考慮した形で作成。インターネットの場合などはバーを表示して誘導、詳細表示のページに誘導するなどの措置を講じている。テレビシヨッピングでは商品申込用の電話番号を画面表示した際、何らかの形で返品についても表示する措置を講じるようにとしている。

広告表示事項の省略については、返品に関するトラブルの主要因となっている「返品の可否」「返品の条件」「返品に関わる送料負担の有無」の3点は省略を認めない方針。それ以外の事項は広告媒体の特性に応じることができるよう、省略可能事項として省令に追加する。

ガイドラインでは広告媒体別に「消費者に分かりやすい表示方法」を事例として紹介。インターネットの場合、広告に加えて「最終申込画面」においても返品特約を表示していないと特約を有効にすることができないとした。同様に、モバイル通販も対象となる。

カタログなど紙媒体における広告では、各商品に共通する返品特約の場合はページごとにまとめて記載することは可能。ただし、申込用の電話番号など消費者が必ず確認する事項のそばに十分な大きさの文字で表示するものとした。また、条件付きで返品が可能な商品は期間等の重要事項を商品ごとに表示し、その他詳細は共通表示部分でカバーする。

画面スペースが限られていたり放映時間が数十秒と短尺だったりという特性から、議論の的になったのはテレビ。結果的に、申込電話番号が表示されている時は返品特約を同時に画面表示するか、申込電話番号と交互に表示する方法を提示。これらが困難な場合は、申込電話番号の下に「返品の詳細は広告の最後で」などと表示し、番組終了前に期間や送料などの詳細を画面表示するようにとしている。秒数の上限は特に求めないが、「視聴者が十分認識できる時間」とした。

ラジオは放送の中で先に「返品は注文の際に窓口でお尋ねください、電話番号は・・・」と告知し、電話窓口では申込手続きに入る前に口頭で返品特約の詳細を伝えるようにする。経済産業省はこれら媒体別のガイドラインモデルについて「あくまでもベストプラクティス」としているが、未整備の場合は当然ながら行政処分の対象となる。

今後は当日の部会で出された意見を盛り込んで内容を調整し、5月中旬には第5回部会を開催したい考え。その後はパブリックコメント作成や事業者および消費生活相談員などへの告知に着手、12月中旬の施行を目指す。

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2009年4月20日 (月)

「特商法」改正を受けJADMAが“法令順守”の取り組みを強化

(社)日本通信販売協会(JADMA)は2009年度の新規取り組みとして、「広告表示の適正化」や関連法の順守などの強化に乗り出す。消費者トラブルの未然防止に力を入れ、返品表示の見直しや広告チェック媒体の拡大、会員の入会審査および入会後チェック体制の整備を手がけていく。

昨年12月に改正された「特定商取引法」では、「返品特約」の表示をしていない場合、8日以内であれば消費者が「返品」(売買契約の解除)をできるようになった。経済産業省は現在この「返品特約」のガイドラインを作成中のため、これを受けてJADMAも「返品」表示に関するプロジェクトチームを5月に立ち上げる。経済産業省のガイドラインでは「カタログ」「テレビ」「インターネット」など媒体ごとに事例が示されていることから、プロジェクトチームの下に①カタログ、新聞、雑誌、折込チラシなどの活字媒体②インターネット③テレビ、ラジオなどの電波媒体――の3つの広告媒体別ワーキンググループを設置し、策定作業を行っていく。

また、法令順守を目指しこれまでカタログとインターネットに関して自主的な広告チェックを実施してきたが、テレビやラジオなどの電波媒体も新たに対象に加える。チェックの頻度や内容も充実させ、不適切広告には随時警告を発するなどより一層の改善を図る考え。さらに、原産国表示などについても関連法令の整備を踏まえ、商品のチェック体制を整えていく。

入会審査や入会後のチェック体制もより厳格化する方向だ。入会審査は現在、基本的には書類審査と広告媒体審査が中心だが、今後は面接調査を含めチェック体制を従来以上に強化。不適切表示があった会員に対しては、随時迅速的な注意喚起を実施する。
会員処分規定の見直しも図り、有識者を含めた第三者委員会を設置。従来は行政処分を受けた会員には資格停止などの処分を講じていたが、広告表示改善のために法令順守セミナーへの参加を促すなど、見直しを図っていく。

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2009年4月12日 (日)

新BSデジタルへの参入、ジュピターSCやQVCも--TV通販の勢い削ぐ「総量規制」が現実化か

2011年7月からスタートする新BSデジタル放送への参入を、このほど29事業者・35番組が申請した。総務省が4月8日に明らかにしたもので、来年6月をメドに参入事業者を決定する。新BS放送は、完全デジタル化に伴い空白になる周波数を活用して開始するが、現在の12チャンネルがさらに8-12チャンネル増えることになる。増加するチャンネル数の約3-4倍に当たる申請があったわけで、免許獲得の争奪戦は厳しくなりそうだ。

今回申請した29事業者の中にはWOWOWやスターチャンネルなどの有料放送をはじめ、ウォルト・ディズニーや英BBCといった外資系も含まれる。また通販では、当然ながら、ジュピターショップチャンネルの99%の株式を持つ番組運営会社であるSCメディアコムの子会社のSCサテライト放送と、QVCジャパンの完全子会社であるQVCサテライトが申請。両社とも、現在はアナログ放送で使われていて新たに新BSデジタルで利用が可能となる第5、7、11チャンネルの割り当てを狙う。

ただ、総務省は「電波の公共性重視や消費者保護に向けた規制」を求める消費者団体の要望を重視。新BSデジタル放送では、テレビCMや通販番組などの「広告放送」を全体の3割以下に抑える「総量規制」に乗り出す方針を固めた。総務省がこの方針に沿って審査すれば、ジュピターSCやQVCなど無料・通販専門チャンネルの参入は認められにくい可能性をはらむ。また、もし参入が実現しても、これまでのように24時間・365日の通販番組を展開するのは難しいため、収益面から苦戦を強いられることは明らかで、何らかの新たな打ち手が必要になるだろう。

従って結果的には有料放送チャンネルが有望と考えられるものの、地上波との差別化から新BS放送では高画質化せざるを得ない状況であり、億単位のコスト負担がのしかかる。しかし、果たしてこれら膨大なコストをカバーできる収益を上げられるか否かは、現段階では未知数だ。その影響かどうかは明らかではないが、昨年10月時点では53事業者だった参入希望が、今回蓋を開けてみると29事業者に減少。有料チャンネルへの参入を希望していた三井物産などが取りやめたほか、通販中心の無料チャンネルを計画していた三菱商事も参入を撤回している。

いずれにしても、官製不況を招くともいえる「総量規制」に未曽有の大不況も加わり、新BSデジタル放送におけるテレビ通販はやや勢いを削がれた格好となった。

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2009年4月 2日 (木)

「いきいき」のユーリーグが倒産

50代-60代女性向けに直販情報誌「いきいき」を発行し、別冊カタログ「ふくふく」や「スムリラ」で通販を手がけるユーリーグが、3月30日に東京地裁に民事再生法の適用を申請した。新聞広告などで「いきいき」の定期購読者を募り半年・1年契約で毎月読者に直送する手法を通じ、2006年12月時点では約43万部(公称)と部数が拡大。読者を軸に据えたカタログ通販も好調で、年間約130億円を売り上げていた。

ただし、2008年3月期の総売上高が161億3200万円ということからも分かる通り、通販事業への依存度が高く、購読料や広告料では事業運営につなげることは困難だったとみられる。通販はわずかながら黒字を維持していたようだが、本業とは別に投資面での損失が利益面に大きく影響した可能性がある。2007年頃から印刷会社や広告会社など取引先への支払いが遅れるなどキャッシュフロー面の悪化が少しずつ表面化し、経営破たんが危惧されていた。

携帯関連事業を手がけるジー・モードと業務提携を結んでいたが、ユーリーグへの短期貸付金が未返済のため取立遅延の恐れがあると、1月28日にジー・モードが発表を行っていた。帝国データバンクなどによれば負債総額は65億円とも96億円とも報道されているが、潜在的な負債があった可能性も高く、2倍近くまで増えることも予想される。

一定数の読者基盤を有していることもあり、同社の経営不安が顕在化してからは通販業界でもいくつかの企業がM&Aを視野に水面下で負債の調査などを実施。最終的には昨年から接触していたあるファンドが有望と見られていたものの、資金面の調整などから実を結ばなかったとみられる。

適用申請から4日経過した4月2日時点でも、同社ホームページには読者や顧客に向けた破たんに関する告知が掲載されていない。電話での問い合わせにも「雑誌は従来通り発行し会社についても何ら問題ない」と回答するなど、社内が混乱している様子がうかがえる。

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2009年3月 9日 (月)

ユーキャンの前期売上高は489億円

通信教育を手がけるユーキャンの2008年12月期の売上高は、前期比6.9%減の489億円になった。不況による需要冷え込みが影響し、主力の通教講座も伸び悩んだ。CDやDVD、書籍などを扱う通販部門も、特別なヒット商品が出なかった模様。

通教講座は不景気な社会状況を反映し、昨年12月からは趣味系講座が苦戦。一方で、医療事務や簿記といった資格系講座へのシフトが進むなど、収入や仕事につながる講座が安定した動きを見せた。社会保険労務士や行政書士をはじめ、人事系や労務系、法務系など景気に左右されない資格講座は、不況ほど手堅くなっているという。

そのような中で、毎年年明けにスタートする年度版のテレビCMは認知度がアップ。「いざ、なりたい自分へ。」をキャッチフレースにした2009年度版は、GReeeeNが歌うテーマ曲の「歩み」が着うたやiTunesのチャートでトップとなった。

同社は受講生・修了生向けの学習サイト「学びオンライン」(会員数15万人)のモバイル版を昨年11月にオープン。また、同年9月にスタートした一般向けのフリーコミュニティサイト「学びーズ」のモバイル版も同年11月にカットオーバーしており、これらコミュニティ事業をプロモーションにつなげていきたい考えだ。

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2009年2月11日 (水)

千趣会とニッセンHD、08年度決算で最終損失

千趣会とニッセンホールディングス(HD)の2008年12月期業績は、いずれも最終損益が赤字となった。千趣会は67億円、ニッセンHDは93億円の最終損失で、千趣会は経常損益も7億円の損失。営業利益は23億円を確保したものの、前期比56.0%減と大きく減少した。ニッセンHDの経常利益は22億円と黒字転換を果たしたが、営業利益は同32.3%減の30億円と大幅マイナスだった。ただ、小売業界の売り上げが低迷する状況下で、売上高は両社とも微増と健闘。千趣会は前期比1.0%増の1582億円、ニッセンHDは同1.6%増の1554億円とほぼ同規模で推移した。

千趣会の利益面の悪化については、原価率アップに加えカタログ費用などの販売費および一般管理費比率の上昇が要因。さらに急激な円高と株安による為替差損や、有価証券評価損が追い討ちをかけた。

通販ではカタログ事業の売上高は第3四半期までは順調だったものの、金融危機の10月以降は消費が後退し前年対比マイナスが続いた。それでも前期比0.1%減と例年並水準を確保している。しかし、ここ数年落ち込んでいる頒布会事業は今期も不振で、売上高は同6.9%減となった。

ニッセンHDの利益面の不調要因は、千趣会と同様に為替差損をはじめ、催事や訪問販売といった現販事業からの撤退に伴う特別損失計上によるもの。一方で、商品の低価格化路線へのシフトが寄与し、通販事業は順調に回復した。インターネットやモバイルを通じた受注も伸び、通販事業の売上高は前期比5.9%増と伸長。カタログ制作費やフルフィルメント費などにおけるローコストオペレーションにより、利益面も改善している。

今期の通期見込みについては、両社とも増収増益、または黒字転換を予想。千趣会は売上高で前期比2.7%増、営業利益で同37.5%増を見込む。ニッセンHDは売上高で0.8%増、営業利益で同11.4%増を計画している。当期純利益はそれぞれ27億円、39億円の黒字確保を狙う。

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2009年1月26日 (月)

ジュピターSCが通販カタログ創刊

テレビ通販専門チャンネルのジュピターショップチャンネルは1月、通販カタログ「ベストセレクション」を創刊した。A4版・24ページで、ヒット商品や定番商品、購入しやすい商品など“選りすぐり”をラインアップ。番組で商品がソールドアウトとなり、買いたかったのに機会を逃してしまった顧客などにも訴求していくという。

毎月発行する「番組ガイド」と同様、商品に同梱。自社のサイト上ではカタログの「電子版」を紹介し、ここから購入することもできる。

扱っているのはコスメ、ボディケア、ヘルスビューティ、グルメ、ホーム雑貨など比較的買いやすい商品ジャンル。商品には番組でもっとも人気が高い「ベストセラー」、自社限定オリジナルの「ショップオリジナル」、動画配信中の「ネットで動画配信中」などのマークを付けた。QRコードを付け、モバイル経由の注文にも対応する。

「番組ガイド」の中でも以前から“誌上ショッピング”と題したおよそ20ページの誌上通販を展開しており、テレビとウェブだけでなく紙も有効活用。クロスメディアの強化で売り上げ拡大につなげている。

同社の2007年12月期の売上高は1023億円。2008年度からは親会社の住友商事に決算期を合わせて3月期に変更し、同年度は15カ月の変則決算となる。そのため単純には比較できないものの、11月のアニバーサリーが好調だったこともあり、08年12月で締めた売上高は前期を上回っているようだ。

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2009年1月17日 (土)

公取委、通販企業に相次ぎ排除命令

各社ともまだ“屠蘇気分”が抜けきらない1月8日、公正取引委員会はカタログ通販などを手がける5社に対し排除命令を出した。いずれも中国生産のウォレットや財布を、10年前に閉店した銀座の老舗「エンゼル」が特別に製造した国内製品と偽って販売していたもの。「今はない名店がごく限られた得意先だけに向けて製造している」というコピーで商品を説明していたが、実際にはそのような事実はなく商品も「エンゼル」が製造したものではなかった。

排除命令を受けたのは全日空商事やジエ・エー・エフ・サービス、ジェイアール東日本商事など運輸系企業と、クレジットカード系のエスシー・カードビジネスといった会員向けカタログを発行する企業、さらに新聞広告で通販を行うウイングツーワンの計5社。ウイングツーワンを除き、他4社は日本通信販売協会(JADMA)の正会員だった。

5社に商品供給したのは同じベンダーで、商品コピーなどもほぼ共通。このベンダーは既に業務が破綻しているという。雑貨商品ではここ2年ほどの間に通販企業複数社が排除命令を受ける案件が目立っており、元をたどると共通のベンダーから仕入れた商品だったというケースがほとんど。虚偽の説明書を付けて商品を卸すこれらベンダーが悪質なのは言うまでもないが、その説明を鵜呑みにして消費者に販売してしまう通販企業の体質にも大きな問題がある。

さらに5社の排除命令からわずか5日後の14日、今度はテレビ通販専門チャンネルのQVCジャパンにやはり排除命令が出された。同社は2007年6月にも「カビがつかない洗面器」で排除命令を受けており、今回が2回目となる。

ただ、前回の洗面器は“効能効果”をうたった商品であり、常識的にも不当表示に価する内容であったが、今回対象となったのはスプーンとフォークのセット。「木製」「漆塗り」という表示が不当で、実際は樹脂の材料や塗料を使っていたとされる。確かに不当表示ではあるが、消費者に著しい誤認や身体的被害を与えるようなケースとは一線を画すといえよう。

5社が排除命令を受けたウォレットも同様で、不当表示には該当するものの商品そのものの“誤認・被害”という位置づけから言えば、果たして景品表示法違反で最も重い「排除命令」を科すほどのものかどうかは疑問が残る。QVCジャパンを含め各社ともすでに商品の回収・返金を手がけていることもあり、「排除命令」よりも軽い「警告」や「注意」にとどめておいても構わなかったのではないかとも考えられる。

もともとベンダーと販売者というBtoB取引はある程度信頼関係が基盤となっている。「警告」「注意」レベルでもそのような商品を卸したベンダーは淘汰されるはずであり、「排除命令」を科してまで販売会社を追い込む必要があるのかどうか。むしろこれだけ「排除命令」が連発されると、逆に法の重みが軽んじられてしまう懸念も否定できない。

もう一つの問題は、同じような商品を扱いながら違反対象になった企業と免れた企業との線引きだ。ウォレットについては排除命令を受けた5社だけではなく、他にもカタログ通販大手や新聞社系通販などの企業も扱っていたと聞く。過去にも他の案件で明暗が分かれたケースがあったが、この点については公取委は各社が納得するような説明を行うべきではないか。

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2008年12月14日 (日)

特商法改正で「指定商品・役務」廃止の適用除外が決定

今年6月に改正された「特定商取引法」で、「指定商品・指定役務制度の廃止」に伴う「適用除外」の基準が決まった。経済産業省が12月11日に開いた「第3回特定商取引部会」で明らかになったもので、委員からはほとんど意見が出ず予定時間の半分に満たない50分程度で答申内容が決定した。

全面的に除外されるのは「他の法律の規定によって購入者の利益保護が認められている分野」で、金融や通信・放送、運輸などに関する49法律に当たる分野が外された。
部分的適用除外として「書面交付およびクーリング・オフ(訪問販売・電話勧誘販売)」の適用が除外されるのは、飲食店、マサージ、カラオケボックスなど。クーリング・オフのみでは電気・ガス・熱の供給という公共性が高い分野と、即時性が高い葬儀が外れた。

注目されていた“短期間に商品の性質・価値が大きく低下する”分野、たとえば生鮮食品などについては、今回は特に条項を設けなかった。これら生鮮や花などは“御用聞き販売”の要素が強いことや、価格が安く「3000円未満」という法の適用対象外と見られるためだが、一方で「蟹の送りつけ商法」など訪問販売で高額商品の消費者被害も発生していることから、今後必要に応じて政令改正を検討する。

通信販売にはクーリング・オフが適用されていないため、生鮮食品の場合は「返品不可」といったように返品規定を整備しておけば問題ない。

今回の「特定商取引法」の法改正では12月1日から「電子メール広告」の部分が先行施行されたが、「指定商品・指定役務制度の廃止」に関しては来年12月までに施行されることになっている。

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2008年11月30日 (日)

お台場でジュピターSCが過去最大規模の顧客参加型イベント

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ジュピターショップチャンネルは11月28日に都内・お台場のホテルで、「日本をみつけよう~東京~ショップチャンネルまつり2008」を開いた。今年7月からスタートした“全国から生中継で各地名産品を販売する”という開局12周年イベントの一環で、今年の締めくくりとしてクリスマスのイルミネーションに彩られたお台場で開催。抽選で顧客4000人を招待し、人気ゲストが登場する生放送の番組進行を一緒に体感もらうとともに、50以上の番組ブランドショップでショッピングを楽しんでもらった。

番組には美肌研究家の中島香里さんをはじめ、人気ゲストが次々に登場。それぞれのゲストが自分のブランドではなくショップチャンネルで気に入っている他ブランドを紹介するという初めての趣向で、進行役を務めるキャストも5人参加した。会場で番組進行を見守っていた篠原淳史社長は、「顧客参加型のイベントでは過去最大規模。ゲストやキャストが一度にこれだけ集まったのも初めての試みで、雨にもかかわらずたくさんのお客様が来てくれた」と語った。

会場に設置されたショップはアパレル、ジュエリー、靴、バッグ、傘、化粧品、生活雑貨、食料品など、番組で紹介するほぼ全ジャンルで、番組よりかなり割り引いた価格で商品を提供。宅急便もコーナーも設けられており、両手に大きな紙袋を下げた参加顧客が目立った。

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Eメールの適正利用目指し6団体が協議会を設立

社団法人・日本インターネットプロバイダー協会(JAIPA)などIT関連6団体が発起人となり、12月1日に「Eメール・ウェブ適正利用推進協議会」が設立された。健全なインターネット上での取引を阻害することなく、同時に消費者にも安全な取引をしてもらえるように、自主ガイドラインの制定や業界の啓蒙活動に取り組むことを目的とする。

ネットショッピングなどウェブ上での経済活動が活発化する中、Eメールなどを悪用する事業者への規制や対応が急務になっている。行政では経済産業省が「特定商取引法」で、総務省が「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律」(特電法)で、それぞれ12月1日から“オプトイン規制”を導入した改正法を施行した。同協議会はこれら法改正を重視し、法順守を目指すとともに、事業面での取引が阻害されないような自主的なルール作りに取り組みたい考えだ。最終的には、ネット取引事業者のホワイトリスト形式化も計画しているとみられる。なお、総務省内にも近く同様の推進協議会が設けられる予定という。

設立発起人はJAIPAのほかにモバイル・コンテンツ・フォーラム、特定非営利活動法人の日本ウェブ協会と日本ネットワークセキュリティ協会、有限責任中間法人のECネットワークと日本電子認証協議会。ネットショッピングとの関わりも大きいため、設立発起人は今後、社団法人・日本通信販売協会の参加も期待している。

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2008年11月12日 (水)

JSC、「地域連動」掲げ全国各地から“エンタメ”生中継番組

テレビショッピングを手がけるジュピターショップチャンネル(JSC)の篠原淳史社長が11月7日、経済産業省の地域活性化事業「にっぽんe物産市」のセミナーで講師を務めた。同セミナーはインターネットを通じて地域生産品を販売するための人材育成プログラムの一環で、日本各地から集まった地域代表エージェントたちが24時間生放送を手がける篠原氏の話に聞き入った。

JSCは7月から新番組「日本を見つけよう!」をスタートさせており、日本全国から生中継で各地の名産品を販売。同時にその地域の文化や伝統芸能、住んでいる人たちの暮らしなども紹介している。7月7日に放映した第1回目の沖縄を皮切りに、北海道、神戸、飛騨高山と毎月実施。11月27日には今年最後を飾るフィナーレとして都内・お台場で開く。来年2月以降も和歌山や金沢、大阪などを予定している。

同社は「日本を見つけよう!」を“ショッピングエンターテインメント番組”と捉えており、テレビショッピングにとどまらないエンタメ性を楽しんでもらいたいとしている。また、全国各地を訪ねることで地元のケーブテレビ局との連携を深めることや、県庁や知事などに協力してもらうことにより新たな地元商品ベンダーの開拓を目指す。生中継の当日には、篠原社長自らも必ず現地に赴いて参加する。

年間1000億円強の売上高のうち、食品の扱いはおよそ7%を占める。昨年の食品売上高ベスト3は①ゆず茶②黄金松前漬③ピザ――で、数の子が入った黄金松前漬は1日に4万2000個売れた実績を持つ。

全社で掲げる現在の重点ポイントは「地域連動」「クロスメディア」「高付加価値化」の3点。「地域連動」の具体例を挙げると、まずはケーブルテレビ局との連携強化だ。今後、地上デジタル放送が普及した状況下でこれまでのように勝ち続けるためには、各地のケーブルテレビ局との連携強化や新たな関係の構築が不可欠となる。「日本を見つけよう!」はまさにそのキー番組であり、同番組を通じケーブルテレビ局にさまざまな形のプロモーションを行っていくという戦略だ。「高付加価値化」では、一例として大丸百貨店とコラボ。バッグの先行販売や、大丸店舗ショーケースでJSCの告知をしてもらうなどの取り組みにチャレンジする。「クロスメディア」の場合は、テレビ番組からホームページに導き関連商品を動画で紹介。また他社のレシピサイトから自社のテレビ番組に誘導したり、雑誌や映画などとのコラボも強化していく考えだ。

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2008年10月31日 (金)

公取委、08年上半期の「排除命令」執行は21件

公正取引委員会は10月28日に平成20年度上半期における「景品表示法」違反の処分件数を公表したが、もっとも厳しい「排除命令」の執行は21件と、前年同期(56件)に比べ半数以下だった。前上半期はジュピターショップチャンネルやフェリシモなど大手のテレビ・カタログ通販企業への処分が目立ち、中でもQVCジャパンや高島屋といった著名通販企業を含め「カビ抑制効果がある洗い桶」を扱った13社が一度に処分されたことが総件数を底上げした。それに比べると、今上半期は通販関連への「排除命令」はさほど多くなかった。

今上半期の総件数を底上げしたのは、王子製紙など主要製紙メーカー8社による「コピー用紙の古紙配合率」の不当表示による摘発。業界を挙げての横並び不祥事に、アスクルなどオフィス系通販企業も迷惑を蒙った。そのほかでは西武百貨店やそごうがお歳暮用として店頭パネル等で紹介したキャビア、ハウス食品の「六甲のおいしい水」、小林製薬の「トイレ消臭剤」など百貨店・メーカーの処分が続いた。全日本空輸の「プレミアムシート」も含め、これらの事例を見る限り、どちらかといえば知名度が高い企業に矛先が向いたのが特徴だったといえる。

そのような中で業界として残念なのは、8月にテレビ東京ダイレクトが「快眠★夢枕」で排除命令を受けたことだ。枕の中材に使われたゲルマニウムコーティングのビーズが赤外線効果と消臭効果を発揮するというものだったが、実際には使用されてなかった。表示の材料が使われていなかったことが不当表示の理由となったわけだが、たとえ使われていたにせよ、これら材料に果たして表示通りの効果があるのかということも問題といえよう。排除命令ほど重くはないが6月にはテレビ朝日も健康器具の「ロデオボーイ」で「警告」を受けており、昨年と今年にテレビショッピング企業が相次ぎ処分を受けたことを考えると、特にインパクトが強いテレビで雑貨商品の効果効能をうたうには十分な注意が必要だ。

前年同期に比べ排除命令の件数自体は確かに減ったが、21件のうち景品関係はゼロで全部が表示関係という点からも、通販であれ何であれ広告表示に対する公取委の並々ならぬ執行意欲がうかがえる。

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2008年9月25日 (木)

「指定商品」の適用除外、通販は「返品規定」でクリア可能

 「第2回特定商取引部会」では「迷惑メール」については19日のワーキンググループの意見を踏襲しましたが、他の議題として①「行政調査権限拡大」に向けた政令の改正、②「指定商品」の部分的適用除外――について方向性が出されました。

*まず①では(a)販売事業者に対して報告命令だけでなく帳簿や書類などの提出命令も行えるようになる、(b)販売事業者と密接な関係を持つ事業者に対しても同じ措置を講じられるようになる、(c)インターネット・サービス・プロバイダー(ISP)などに対する報告聴取権限が新設される、(d)電子メール広告受託事業者に対し報告徴収などの権限が新設される――といった内容。(c)については、都道府県知事が法執行を行ううえでも重要な権限となるため、委任事務に追加する政令改正を行います。

*②に関しては、通販で生鮮品などの食品などが指定商品となるのかどうか(現行は加工食品だけが指定商品)という不安や疑問がありましたが、結論からいえば特に適用除外にはならないものの、「返品規定」を各社が自由に設定できるため問題はなさそうです。訪問販売と電話勧誘販売は「書面交付」および「クーリング・オフ」が義務化されているため適用除外商品の問題が生じますが、これら規制が課されていない通販は適用除外商品を設けなくても、事業者が「返品規定」で対応・運用していけばよいという考え方になるわけです。このように通販は生鮮品などを各社の判断で「返品不可」にすれば問題ないわけですが、同じ生鮮品でも訪問販売の場合はクーリング・オフの適用が義務化されているため「適用除外」にする必要があるかどうかが議論されることになります。

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2008年9月21日 (日)

通販市場規模、増加も伸び率は鈍化

(社)日本通信販売協会(JADMA)が8月21日に発表した2007年度の通信販売市場売上高は、3兆8800億円でした。前年度に比べて2000億円増と、調査以来過去最高の数値を更新したことになります。伸び率も対前年比5・4%増と好調で、百貨店やスーパーなど他流通業界の不振を尻目に右肩上がりの成長を続けています。

 ただ、伸び率に着目してみると、前年の調査では9・5%増と2桁台に近い成長でした。それと比べれば今回の伸び率は4・1ポイント下がっており、勢いはやや鈍化していると言えるでしょう。同様に業界紙の調査を見ても伸び率は対前年3・8%増となっており、やはり対前年で鈍化傾向にあるようです。

相変わらす顕著なのは上位企業が全体に占める割合で、JADMAの調査(順位は非公表)では上位10社で会員社全体の約43%を占めています。ただ、全体を見れば上位で苦戦している大手通販企業もあり、総合・衣料系ではディノスやベルーナ、イマージュ、化粧品ではファンケルなどが減収となりました。今後もファッション系通販は話題性の高い「H&M」といった専門店オープンやアウトレットモールの増加、インターネット専門ショップの拡大などの影響を受けそうです。また、化粧品や健康食品通販についても今後一層加速する関連法の規制強化により、広告表現面などで規制の波を受けることでしょう。これらのマイナス要因を考えた場合、目標である「4兆円市場」の実現はもう少し先になりそうです。

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2008年9月20日 (土)

「迷惑メール」、省令とガイドライン作成へ

経済産業省が管轄する通信販売の関連法律「特定商取引法」の改正にあたり、省令案の概要を詰めるために「迷惑メール規制に関する技術的論点ワーキンググループ」の追加会合が9月19日に開かれました。法律が公布された6月から6カ月以内に施行する必要があるため、10月1日の公布、12月1日の施行を予定。並行して省令中にある「顧客が当該操作を行う際に容易に認識できる」表示の具体例を示すガイドラインも作成します。

 「迷惑メール」の規制は今回の法改正において訪問販売の規制強化と双頭をなすものですが、現在のところ主な項目として①広告メールを送る場合は事前に相手の同意を得る(改正前は相手が「NO」と言ってこなければ構わなかった)②相手から広告メール送付の請求・承諾を得た記録を保存しておく(違反した場合は直罰)③広告メールを希望しない意思表示のための連絡方法を広告本文に分かりやすく表示する④販売業者のほかに電子メールの広告受託業者に対しても立ち入りや指示などができるようになる――などがあります。

経済産業省は19日の会合で、新たに以下の解釈・文言を付け加えました。まず①では単なる電子メールだけでなく、携帯電話の「ショートメールサービス」を規制対象に追加。②では記録の保存期間を3年間と定めました。これは当初議論されていた期間を上回るものです。ただし、法改正以前に取得したメールアドレスについては、改めて相手の同意を得る必要はないという見解が示されました。

また消費者が操作を行う際に認識しやすい画面表示を示すガイドラインのイメージとして、「広告メールを希望する」にはじめからチェックマークが入っている“デフォルト・オン表示”でも構わないという見解を公表。この点はこれまでの会合で委員からかなり反対意見も出ていたのですが、やや譲歩した形となりました。ただし、全体が黒字の画面ならば赤字で明記するなど、消費者がデフォルト・オン表示を認識しやすいようにすべきと指示しています。

委員たちからは特に反対の声は上がらなかったものの、「個人情報保護法の時のダイレクトメールように、消費者は広告メールは全て違法という拡大解釈をしてしまうのではないか。同意を取れば法律上許されているという説明を消費者センターなどで行って欲しい」「今回の特定商取引法と、総務省の電子メールに関する法律は内容が微妙に違うため、最終的には将来の一本化を望む」などの意見が出ていました。

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