公取委の「審判制度」廃止し裁判所へ移管
政府は11月5日、かねてから議論されていた公正取引委員会の「審判制度」について廃止の検討に入った。景品表示法や独占禁止法で公取委から行政処分を受けた企業が「異議」を申し立てる制度だが、処分した側の公取委が自ら是非の審判を下すことは公平性を欠くとの批判に対応。審判機能は裁判所に移管するとし、早ければ来年の通常国会にも独占禁止法の改正案を提出する方針でいる。
「審判制度」に関しては、実質的に公取委の職員が検事と裁判官を兼ねることになるため、経済界からの批判が強かった。排除命令や課徴金納付といった処分に対し多くの企業が不服を唱え制度利用に踏み切ったが、この10年間で処分結果が見直されたのはわずか1件にすぎず公平性が問われていた。日本経団連も以前より廃止を求めており、10月20日に「審判手続きの廃止及び審査手続きの適正化に向けて」との意見書を発表。「公平・公正な解決のためには全面的に見直し、直接裁判所で争える仕組みが必要」とし、2010年度中に措置を講じるべきとしていた。また、見直しの必要性に関し、「公取委は漠然とした疑いのみで企業のあらゆる場所に立ち入り検査に入り、半強制的にあらゆる資料を提出させ、1日に10時間超の取り調べも行う」と批判。政権を取った民主党が「審判廃止」を政策に掲げていたこともあり、ようやく実現の方向となった。
独占禁止法の下部法といえる景品表示法においては、広告の不当表示で通販企業への排除命令が相次いでいる。特に最近では厳しすぎたり不当と思われるようなケースが目立つが、公平性を欠く「審判制度」では勝ち目にないことが分かっているだけに、日本通信販売協会に入っているような大手通販企業は手続きに踏み切ることはない。しかし、裁判所で公平な審判が行われるようになれば、不当な処分に異議を唱える大手通販企業が出てくる可能性もある。
| 固定リンク | トラックバック (0)
